どうも、はびさんです。
私は小規模な会社で管理職として働いています。
現在の職位は裁量権が大きいため、担当部署の運営に支障がなければ働き方に大きな制限がありません。
ありがたいことに同じ部署の方たちが非常に協力的で仕事はスムーズ。
従業員の教育、取引先と契約内容の交渉や労務管理など、多少のトラブルはあってもおおよそ順調なものです。
しかしそのような状況が続くと、あまりにも効率的に仕事が片付くが故に、社会人パワーが有り余る感覚が生じ始めたのです。
暇すぎる。
やることがなさすぎる。
当社の社長は慎重派のようで、事業拡大には乗り気ではありません。これでは社内で解決できそうにありません。
ではでは外部に目を向けようじゃないか。
ということで副業探しの始まり。
そんな状況で気になった職種が貿易事務でございます。
英語を使った事務職とはとても興味がそそられます。
ここでは実際の求人サイトで公開されている貿易事務の求人を50社抽出し、そのデータを集計しています。
貿易事務に興味のある皆様のお役に立てれば幸いです。
貿易事務はどのような仕事か
厚生労働省の職業情報提供サイトにおいては、下記のように説明されています。
輸出入に関する各種書類(インボイス、船荷証券、梱包明細書等)を作成する。 貨物輸送の手配としては、商品の到着予定や船便の運行状況を把握し、関係者からの問い合わせに対応する。また、輸入されてきた商品を国内に配送する手続きや、輸出入品の在庫を管理する。
https://shigoto.mhlw.go.jp/User/Occupation/Detail/439
実際の求人情報でも以下のような業務が列挙されており、その際に英語を使用する業務を含むとしています。
- 船積みスケジュール管理
- 報告書などドキュメントの作成
- 取引先への業務依頼等のコレポン、請求処理
コレポン業務とは:
Correspondence「通信」の略。
主に英語を使用し、海外取引先とのメールや電話のやりとりをすること。
東京における貿易事務の実際の求人
50社の求人情報を集計し、その結果をこちら4つの観点から確認していきます。
求人情報はindeedから収集しました。
キーワードに「貿易事務」、エリアを「東京都」として検索し、表示された上位50件を対象としています。
1.給与(時給換算)
求人情報は、アルバイトや派遣社員については時給で記載、正社員については月収や年収で記載されています。
ここでは給与の額を比較しやすくするために、すべての求人に対して時給に換算して計算しています。
給与(時給換算)の平均額 | 1994円 |
中央値 | 1850円 |
最低額 | 1225円 |
最高額 | 3683円 |
標準偏差 | 533円 |
調査対象50社のうち、14社については賞与実績のデータを明示していなかったため計算から除外しています。
貿易事務の正社員は賞与が3~5ヶ月分の会社が複数あり、月収では非正規雇用に劣るものの、年収では圧倒的に高給でした。
2.実務経験の必要性
比較的時給の高い職種ですが、未経験でも挑戦できるのでしょうか。
経験者のみ | 27社 |
未経験可 | 18社 |
明記なし | 5社 |
「貿易事務に限らず事務職の経験であれば経験に含める」とする求人も「経験者のみ」として分類しています。
経験者採用がやや優勢なものの、未経験者も採用される可能性は十分あるようです。
3.語学力(英語)の必要性
貿易事務は海外取引先とやり取りしますので、業務遂行に英語はほぼ必須です。
採用段階で語学力が求められる会社の割合と、語学力が必要な場合、どの程度の能力が基準となるのか確認していきます。
語学力(英語)を求める | 40社 |
特に必要としない | 8社 |
明記なし | 2社 |
※「特に必要としない」のはあくまで採用時のことであり、入社後は語学力の習得は必要。
「語学力(英語)を求める」会社のうち、14社はその求める能力の基準としてTOEICの点数を記載しています。
TOEIC600点を基準とする会社数 | 7社 |
TOEIC700点を基準とする会社数 | 5社 |
TOEICスコア平均値 | 632点 |
最低値 | 400点 |
最高値 | 750点 |
標準偏差 | 84点 |
8割の会社が語学力必須としていますが、意外なことに採用時点では語学力を求めない会社がいくらか散見されました。
もちろん英語嫌いではこの職種は務まらないでしょうが、挑戦する意欲のある方たちに対しては門戸は大きく開かれているようです。
また一定の語学力を要求する会社では、英語を必要とする職種の割にTOEICの要求点数600~700点と低めです。
これは定型文の書面を扱うことが多いことから、飛び抜けて高いスキルが必要とされづらいからかもしれません。
4.PCスキルの必要性
事務作業であるため業務でパソコンを使用します。
調査対象の50社はPCスキルの必要性について以下のように記載しています。
最低限のPCスキルを要する | 34社 |
特にPCスキルは問わない | 15社 |
明記なし | 1社 |
具体的に要求するPCスキルについて記載している複数の会社を確認したところ、最低限のスキルとはこちらの作業が可能であることと定義されるでしょう。
- 文字・数値入力ができること
- ExcelでSUM, IF, AVERAGEなど基本の関数を使用して計算が行えること
- outlookなどメールソフトでメールの送受信ができること
学校や会社でオフィスソフトをひととおり使用したことがある方であれば、この条件でつまずくことは少ないでしょう。
MOS Excelスペシャリストを取れるレベルがあれば十分です。
PC操作に苦手意識があるひとでなければこちらの条件について深く考えることは不要です。
スマートフォンやタブレットしか使用したことがない人や、そもそも機械が苦手な人のみ対策しましょう。
まとめ
貿易事務という職種について調べる前は、専門性の高い事務職ゆえ、採用条件は厳しいのではないかという認識がありました。
しかし実際の求人を分析してみると、多くの方が挑戦可能な職種であるように思えます。
ただ、今回分析の50社中にはアルバイトやパートタイマーの求人はなく、また貿易事務という職種全体でもフルタイム週5日出勤がほとんどです。
貿易事務以外の事務職、たとえば一般事務や経理事務は週2,3日でも働ける求人が複数あります。
事務職の中でも貿易事務はしっかり働いて稼ぐという方向けで、副業・Wワークには適さない職種でしょう。
非常に興味があった職種だけに今回の結果は残念でしたが、それでも調査を経て新たな知見を得ることが出来ました。
経理事務あたりも興味がありますので、次回はそちらについて調査をしようかと思います。
さて、本記事はこのあたりで。
以上、
【貿易事務】実際に公開されている求人を分析する【東京】
でした。
ではまたお会いしましょう。